「 百万円貯まったら、この家を出て行きます。」「佐藤鈴子―21歳 資格なし。特技なし。友達なし。就職できずバイト生活。」
就職もできずにバイト生活を送っていた鈴子だったが、ある事件に巻き込まれ、家族のもとを離れ、誰も知らない土地へ旅立つことに。
百万円が貯まるたびに、また新たな土地へ移り住むという生活を送っていく。
タナダユキ監督・脚本のなんとも可愛らしい映画でした。
主人公の鈴子が魅力あふれていて、友達もいなくて不器用なんだけれども、真に強いものを潜ませている女性がすっかり気に入ってしまいました。
あるトラブルから、人との関わり合いを避けて家族と離れ、一人見知らぬ土地に引っ越し、百万円貯まったらまた次の土地へと移動していくというお話です。
3つのエピソードから作られていて、3か所の土地で様々な人たちと出会うのですが、これもまた魅力的なキャラがたくさん出てきて、飽きることなく見ることができました。まずは実家で100万円たまるまでひたすらバイト。そして家を離れ最初は海へ行き海の家で働く、次は山へ行きモモ農園で働く、そして街へ行きホームセンターで働きます。
家族の元を離れ、一人厳しい道へと選んだ鈴子ですが、私的にはある意味うらやましくも感じられました。
これは若いうちじゃないとできなかったかな・・・と。
自分探しの旅と言ったら聞こえはいいのですが、鈴子本人はあくまでネガティブ。「自分探しなんてしたくない。むしろ逃げているんです。」と言っていました。
今まで辛いことがあっても、自分は大丈夫、強いんだと言い聞かせてきたけど、いざ外の世界へ自分を放り出してみるとこれがなかなかうまくいかないし、弱いところもたくさん発見してしまいます。でもそこから鈴子の持っている良さが味わいとして出てきて、だんだんと応援したくなってくるような感じがしました。今まで褒められたことなんてなかったのでしょうか。
バイト先でいろんな人に褒められた時の顔(苦虫顔?)が、ぎこちなくて可愛かったです。
3つの引っ越し先がそれぞれ環境が全く異なっていて、うまく作ったなぁと感心してしまいました。
人とつきあいたくなくても、やっぱり生活して仕事する上では必ずついてまわるものです。
最後に出会った青年は鈴子とどこか似ているせいか、お互い惹かれあっていきます。
そして鈴子と弟の関係。これは良かったですね。
なんだか心に深く染みました。
エンディングは意外な展開で終わり、えっ!と思いましたが、たぶんこれで良かったと納得してます。
3番目に引っ越した街は、私の実家のある土地だったので、びっくり!さらに感情移入しました。
お気に入り映画の1本になりました。
「百万円と苦虫女」オフィシャル・サイト
http://www.nigamushi.com/
出演:蒼井優/森山未來/ピエール瀧/竹財輝之助/齋藤隆成

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